SUZUKI サベージ650をざっくり解説してみた ~hex385の名車解説~
今回は”迷車解説シリーズ”第二弾。
国内では時代の影響か、大衆に受け入れられず、儚くも短命に終わってしまったバイク。
”サベージ650”は国内では見向きもされませんでしたが、海外では一定の需要を獲得したちょっと特殊な一台。
今回はそんな”サベージ650”について解説していこうと思います。
例のごとく、全く知らない人にも"ある程度は"理解できるよう記事をまとめました。
※なお、管理人はバイクのプロでは無いので、細かい所が間違ってたりする可能性がございます。
目次
サベージ650ってどんなバイク?
ハーレーやインディアンのような本家アメリカンではなく、日本独自のテイストが加えられたバイク達を”ジャメリカン”と呼んだりします。
このサベージ650はそんな”ジャメリカン”の中でも異質でぶっ飛んだバイク。
一言で言い表すなら「ファッキンクレイジーなジャメリカン」って感じのバイクです。
見た目は地味で平凡なアメリカン風バイクという印象かもしれませんが、中身はわりとぶっ飛んでます。
どこがファッキンクレイジーなのかは、次の項目で解説を。
なぜか単気筒エンジン。
”アメリカンバイク=V型2気筒”ってイメージが定番ですが、このサベージ650は”単気筒エンジン”です。
低排気量であれば単気筒のアメリカンバイクはちらほらありますが、この大型排気量で単気筒ってのはかなり珍しい。
確かに、低速トルクに優れた単気筒であればゆったりとしたロングライドも可能ですし、意外と理に適っているのでしょう。
ただ、大型排気量で単気筒をチョイスする発想と販売まで漕ぎ着けるフットワークの軽さはSUZUKIらしさをひしひしと感じざるを得ません。
めちゃくちゃ軽量・コンパクト。

上記画像を見てください。
アメリカンバイクの割に、めちゃくちゃコンパクトじゃないですか?
ちなみに乾燥重量が”160kg”しかありません。
アメリカンの比較的コンパクトなモデルは大体”約250kg”ぐらいなのに、ですよ。
”アメリカンバイク=重くてデカい”なんて概念もぶっ壊してます。
小っこくて可愛いらしさも見え隠れするサベージくんですが、サベージ(Savage)とは”獰猛”・”野蛮”・”野蛮人”という意味らしい。
なんかギャップ萌えというか、より愛くるしく感じてしまうのは私だけでしょうか。。。
その他特殊仕様
・静寂性の高いベルトドライブ駆動搭載。
・単気筒の振動と音の対策として一軸バランサーを搭載。
・最大トルクをわずか4,000rpmで発生させる低回転エンジン。
これらの特徴については深くは触れませんが、特殊なバイクなんだなというのが伝われば幸いです。
サベージ650がなぜ不人気だったのか。
日本ではわずか3年で販売終了してしまったバイク。
理由として語られているのは主に3つ。
見た目が普通。
中身は個性の塊ですが、見た目はかなり普通。
販売当時でもそうですし、今見ても特徴的なデザインとはいえません。
コンセプトとしては、今見ても面白いバイクなのですが、当時この外観のバイクが求められていたかといわれると疑問が残ります。
バランサーの搭載は悪手だった?
単気筒エンジンの魅力の一つである”振動”。
ただし、過剰な振動はユーザーに不快感をもたらすため、ちょうど良い振動・鼓動感が大事だったりします。
このバイクには過剰な振動を取り除くため”一軸バランサー”という機構を搭載していたのですが、コレがあまり良くなかったようです。
本来心地良いはずの振動まで消してしまっているため、魅力が半減していると揶揄されてしまう結果に。
当時大型免許が普及していなかった。
個人的にはこれが一番の理由なんじゃないかなと思っています。
サベージ650の発売時期の大型免許事情はというと、かなり難易度が高いものだったようです。
今の大型免許取得の選択肢としては、自動車教習所に通うか、試験場へ行き一発試験を受けるかの2択です。
ですがサベージ650の発売時期には、自動車教習所で大型免許を取ることが出来ず、難易度の高い一発試験オンリーでした。
当然、大型免許を所有するユーザーが今以上に少なかったため、サベージ650も売れなかったのです。
海外では意外と人気バイクだった!?
日本では早々に販売終了してしまい不人気車種の扱いを受けておりますが、実は海外では人気のバイク。
日本での販売終了後も海外向けに販売し続け、少なくとも2020年までは販売が続投しているという人気っぷり。
(それ以降の情報は無しですが、もしかすると継続販売されているかも。。。)
ここまでのロングヒットとなった理由は、恐らくカスタムベースとしての人気が高かったからでしょう。
海外のサベージ650の画像を見ていると”チョッパー”・”ストリート”・”カフェレーサー”・”クラシック”とジャンルを超えたカスタムが為されています。
ノーマルの”平凡なデザイン”と”内に秘めた変態性”が逆にユーザーのカスタマイズ欲を刺激してしまったということですね。
まぁ理由はどうあれ、ただのハーレーのコピーモデルじゃなく”ジャメリカン”が海外で一定の評価を受けていることは非常に喜ばしいことです。
余談ですが、2005年にSUZUKIの北米向けアメリカンバイク(クルーザー)は”ブルバード”と呼称が統一されたため、”サベージ650”から”ブルバードS40”という名称に変更されています。
サベージ650の魅力について
人によって感じ方はそれぞれですが、とりあえず管理人が考える魅力なんかをまとめてみました。
かなりトルクフルなバイク
単気筒エンジンといえば低排気量に多く、トルクフルで瞬発力の高いエンジンが特徴。
250CCのバイクでも十二分にトルクを感じられるのに、サベージ650はさらに大排気量。
つまり、トルクがヤベーバイクってことですね。
大排気量の単気筒バイクはかなり数が少ないため、それだけでも魅力が詰まったバイクですよ。
※トルクについてよく分からない方は、下記記事にて解説しています。
大排気量・軽量・コンパクト
途中でも記載しましたが、サベージ650は大排気量・軽量・コンパクトなアメリカンバイク。
このバイクが販売終了してから30年経過しますが、似たような特性を持つバイクは”スポーツタイプ”のバイクくらい。
”アメリカン”でこの特徴を持つバイクは無いため、オンリーワンの特性を持ったバイクといえますね。
相当レアバイク
以前記載したSW-1もそうでしたが、”不人気車種=レアバイク”です。
先ほどGoobikeを覗きましたが、奇跡的に1台だけ販売中でしたね。
「他人とバイクが被りたくない」とか「マイナーなバイクが好きだ」という人にはうってつけのバイクじゃないでしょうか。
サベージ650のデメリットとは?
30年ほど前のバイクなので、旧車特有のデメリットをメインに解説していきます。
入手が難しい
不人気バイクと旧車の共通の特徴です。
販売台数が極端に少ないバイクのため、欲しいと思っても入手に苦労します。
程度の良い状態のサベージ650を探そうとすれば尚更ですね。
先述した”ブルバードS40”も少数ながら日本に逆輸入されているようですが、それも2008年まで。
プレミア価格が付いている印象はありませんが、流通台数から入手難易度はかなり高い一台。
パーツの供給が厳しい
レアなバイクに付きもののデメリットですが、ご紹介します。
パーツの入手難易度がそれなりに高そうな一台。
海外では継続販売されているので、パーツが尽きているわけではないでしょうが、日本での流通台数の少なさから苦労しそうです。
個人で維持できるなら問題無いでしょうが、ショップで面倒を見てもらいたい人には要相談といったところでしょうか。
あわせて読んで欲しい記事
その他の”名車解説”をご覧になりたい方は下記記事でまとめております。
興味がある方は是非ご覧頂ければ幸いです。
終わりに
”SW-1”と同様、どちらかというと”迷車”と呼ばれている類のバイク。
本文中では、ネタにするような記載をあえてしてみましたが、個人的には”サベージ650”も名車とされるべきバイクだと思っています。
なんといっても、実は管理人が今一番欲しい大型バイクなんですよねぇ。
入手難易度だったり維持できるか不安があるため、二の足を踏んでいる状況ですが、いつかは購入したいですね。
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以上、最後までご覧いただきありがとうございました。