KAWASAKI バリオスⅡをざっくり解説してみた~hex385の名車解説~
今回も”名車解説”シリーズを書いていきます。
生産終了から今もなお人気が衰えること無く、様々なユーザーに愛されているバイク。
環境問題・騒音問題が厳しくなっている昨今、その時代じゃないと作れなかったハイスペックなバイクが存在します。
250CCに4気筒エンジンを載せたバイクなんて、その典型だと思いませんか?
というわけで、今回ご紹介するバイクは、KAWASAKIの”バリオスⅡ”でございます!
例のごとく、全く知らない人にも"ある程度は"理解できるよう記事をまとめました。
「バリオスⅡ、欲しいな」と思っている方に向けて書いておりますので、ご参考になれば幸いです。
※なお、管理人はバイクのプロでは無いので、細かい所が間違ってたりする可能性がございます。
目次
バリオスⅡってどんなバイク?
「250CC4気筒の傑作バイク」です。
バイクには様々なジャンル分けが存在するワケですが、このバリオスⅡは”250CC”の”4気筒”バイクというカテゴリーに属します。
このカテゴリーのバイクは、2007年を最後に13年間も新車が出なかった、ある意味失われていたジャンル。
(ユーザー人気は絶えなかったが、メーカーが新車をリリースする上で、環境面とコスト面のクリアが難しかったのが原因。)
そんな悲しみを背負ったジャンルのバイクだったのですが、その中でも突出した人気を誇るのが、このバリオスⅡなのです。
今は”250CC”で”4気筒”の新車が買えますが、新車が出ない13年間の空白を繋いでいったのはバリオスⅡを代表とするバイク達の功労だと思います。
250CC 4気筒のバイクはKAWASAKI バリオスⅡのほかにも、
・HONDA ホーネット250
・YAMAHA ジール
・SUZUKI バンディット250
など、日本4大メーカーからそれぞれ発売されています。
タマ数の多さ、市場人気など総合的に見ればバリオスⅡが強いとは思いますが、上記3車種もかなり優れたバイク達ですよ。
バリオス1型、2型って?
バリオスというバイクを語る上で外せない、1型・2型問題についても軽く触れておきます。
結論からお伝えすると、1型というのは”バリオス”、2型は”バリオスⅡ”のことを指します。
さらにいえば、1型の中でも、初期型といわれるモデルがあったりします。
上記をまとめると
・バリオス=1型
・バリオス初期型=1型
・バリオスⅡ=2型
となります。
「名前が違うバイクなのに、ややこしい呼び方をしているな」と感じるかもしれませんが、これは”バリオス”と”バリオスⅡ”が非常に近しいバイクであるということの表れ。
バリオス(BALIUS)とは
バリオスは1991年~1996年に発売されていたバイクで、バリオスⅡの先祖。
ZXR250というレーサーレプリカのエンジンを搭載した、今でいうストリートファイターのようなバイクでした。
特筆すべきは、1991~1992年までの初期モデルは45馬力を叩き出していた”ぶっ飛んだマシン”だということ。
(俗にいう初期型・規制前などと呼ばれるモデルがこのモデル)
1993年以降のモデルはバリオスⅡと同様40馬力に抑えられ、1996年にバリオスⅡへバトンタッチとなります。
1型と2型の見分け方
1型と2型の見分け方は超簡単です。
先ほどの黒いバイクが”バリオス”で、下のシルバーのバイクが”バリオスⅡ”
よーく見比べてみてください。
ハイ。
答えは、”リアショックが違う”ということ。
バリオスが”モノサスペンション”(1本)で、バリオスⅡが”ツインサスペンション”(2本)です。
性能差はありますが、外見だけを見ると”かなり似通ったバイク”だということが画像でも分かりますね。
バリオスⅡの魅力について
人によって感じ方はそれぞれですが、とりあえず管理人が考える魅力なんかをまとめてみました。
高回転型エンジンが秀逸
”250CC4気筒”の特徴ともいえますが、今の250CCバイクには類を見ないレベルの高回転型エンジンです。
バリオスⅡのタコメーターを見ると17,000回転からレッドゾーンが割り振られています。
イニシャルDの名言である「11,000回転までキッチリ回せ。」を遥かに超えてくる回転数。
回転数を徐々に上げて、独特なF1サウンドを奏でながら走る楽しみは、今のバイクにできない楽しみ方です。
400CC以上のバイクでコレをやると自分がお星様になってしまう恐れがありますので、常用速度域で高回転を使う楽しみが出来るのは250CC4気筒の魅力ですよね。
乗りやすいバイク
高回転型エンジンと聞くとピーキーな性能なのかと思われるかもしれませんが、全然乗りやすいバイクです。
回せば回すだけ速度が上がる感覚なので、むしろ分かりやすいエンジン性能だと言えます。
しかも乾燥重量151キロなので、かなり軽量ですし、足付き性も良いです。
老若男女問わず、バイクの楽しさを味わうことができるポテンシャルを秘めた名車といえますね。
バリオスⅡのデメリットとは?
古いバイク特有の悩みがメインとなります。
逆に言えばそれ以外は”特にない”、バランスの取れた一台といえますね。
状態の良い車両が減ってきた
昔は街中で腐るほど見かけたもんですが、最近はめっきり減りました。
最終モデルでも2007年のバイク。
仕方のない話ですが、状態の良いバリオスⅡはかなり値段が高くなってきています。
高回転型エンジンであるバイクは時として、ハードな使われ方をされることが多く、乗り潰されやすいことも理由の一つでしょう。
古いバイクの宿命ではありますが、それなりにハードルが高いバイクなのは間違いないですね。
純正パーツが減ってきている?
最終モデルから10年以上経過したバイクなので、徐々に純正パーツが減ってきている印象を受けます。
かなり流通台数の多いバイクなのでもうしばらくは大丈夫かとは思いますが、故障してしまった場合のアフターパーツについては今後のことを思うと少し不安ですね。
こういった点からも、ちょっと初心者にはハードル高めな、それなりに覚悟がいるバイクではありますね。。。
バリオスⅡの年式について解説
バリオスⅡは仕様変更を3度実施しているバイク。
各仕様変更の詳細などをざっくり解説しておりますので、中古でバリオスⅡを探す際には是非参考にしてみてください。
バリオスⅡ 初期モデル(1997年)
・今となってはかなり珍しい初期モデルのバリオスⅡ。
・タンク容量は15L
最近めっきり見かけなくなった初期型のバリオスⅡです。
絶番車の初期型って聞くとワクワクするのは私だけですかね?
このモデルをベースに10年間販売され続けたので、この初期モデルに対して特筆すべき点は正直あまりありません。
強いて言えば、地味にタンク容量が15Lと後期モデルのバリオスⅡよりも1L多かったりします。
初期モデルに憧れがある方以外は、(状態にもよりますが)基本的には年式が新しいモデルをオススメしたいですね。
バリオスⅡ 2型(2000年)
・排ガス規制対応モデル。
・タンク容量が1L減り、14Lに変更。
バリオスⅡの2型モデル。
2000年発売ということで、平成11年の排ガス規制に対応したモデルとなっております。
この年の排ガス規制はそこまで厳しくはないので、性能が落ちたりすることは無く40馬力はキープしております。
2000年から6年間も発売され続けたモデルなので、必然的にタマ数が多いモデルとでもあります。
比較的手ごろな価格の中古車が多いので、安いバリオスⅡを狙うならこの辺りがオススメですね。
余談ですが、2005年に200台限定でイモビライザー付きのモデルが発売されたりしました。
バリオスⅡ 最終モデル(2006~)
・最後の仕様変更がなされたモデル。
・ヘッドライトがマルチリフレクターへと変更。
バリオスⅡの最終仕様変更モデルですね。
2006年から2007年まで販売されており、特に2007年モデルは高額になってきています。
変更点は、ヘッドライトの性能が向上した程度なので、過去モデルと比較しても性能差はありません。
状態の良いバリオスⅡを長く乗り続けたいのであれば、このモデルから探すことをオススメします。
ちなみに、人気の旧車に言えることですが、状態の良いままキープが出来れば価値は上がっていく一方。
手放す際に、かなり高値が付くケースもありますので、高いとはいっても買う価値がある一台だと思います。
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興味がある方は是非ご覧頂ければ幸いです。
終わりに
今回は名車解説ということで、バリオスⅡを解説してみました。
海外では見向きもされない250CCという排気量に、日本の技術が詰まった4気筒エンジンを載せたバイク。
海外需要なんて糞くらえと言わんばかりのガラパゴス的なバイク造りですが、今となっては凄く良い時代だったなと思わせてくれます。
バリオスⅡが今もなお人気なのは、こういったロストテクノロジー的な性能・今のラインナップには無いスタイリングなどの影響があるのでは、と思います。
昨今の125CC推し・海外生産・海外需要をメインターゲットにした戦略も悪くはありませんが、昔だからこそ作れたバイクに目を向けてみるのも悪くありませんね。
この記事がバリオスⅡが欲しいと思っている方、興味がある方の参考になれば幸いです。
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以上、最後までご覧いただきありがとうございました。