バイクの変速比・減速比について解説してみた。【一時減速比・二次減速比】

早速ですが、変速比”・”1次減速比”・”2次減速比なんていうワードを聞いたことがありますか?

コレはバイクのスペック表なんかにも欠かさず登場してくるワードで、バイクの乗り味に関わってくる比率を表したものです。

  

知らない人・何となくで理解している人も多い”変速比”・”減速比”についてざっくり解説していく記事です。

 

この記事を読めば、下記の内容を理解することができますので、是非最後までご覧ください。

この記事で分かること

スペック表に記載されている、”変速比”・”減速比”について理解できる。

”1次減速比”・”2次減速比”について”ざっくり”理解できる。

バイクの”スペック表”についての知識が身に付く。 

   

 

目次

バイクの”変速比”って何? 

まずは”変速比”について説明していきます。

下記の数値はCB400SFの“変速比"なのですが、スペック表には数字の羅列が記載されることが多いです。

CB400SFの変速比

1速 3.306/2速 2.293/3速 1.750/4速 1.421/5速 1.240/6速 1.129

これは、各ギアで、”トランスミッション”が1回転する際に、エンジンがどれだけ回転しているかを示しています。

つまり”変速比”とは、それぞれの”ギア”でのエンジンの回転数とトランスミッションを介した際の回転数の比率を示した数値だということです。 

多分、上記説明だけだと何言ってんだ、コイツ?と思う方も多いのは百も承知なので、次の項目でさらに嚙み砕いて説明します。

 

 

自転車を例に”もっと分かりやすく”説明を。 

もっと分かりやすく、身近な”自転車”を例にして説明していきます。

先ほどトランスミッションが1回転する際に、エンジンがどれだけ回転しているかを示している。」と記載しました。

この一文のトランスミッションを”自転車のタイヤ”、エンジンを”ペダルを漕ぐ足”と読み変えてみましょう。

自転車のタイヤが1回転する際に、ペダルを漕ぐ足がどれだけ回転しているかを示している。」

なんとなく見えてきましたかね?

 

CB400SFの変速比

1速 3.306/2速 2.293/3速 1.750/4速 1.421/5速 1.240/6速 1.129

1速の時は”3.306”となっていますがこれは、ギアが”1速”の時にタイヤを”1回転”させるためには、ペダルを”3.306”回も回さなければならないということ。

逆に、6速の時は”1.129”なので、ペダルを”約1.129回”回せば、タイヤが一回転するということ。

ギアの数が上がれば、タイヤを1回転させるためにペダルを回す回数が減ってくるので、変速比の数値が徐々に少なくなるってことですね。

 

 

【余談】レブリミットについても自転車の例で説明できる。 

”変速比”とは直接関連はありませんが、折角なので余談として説明をしていきます。

レブリミットとはつまり”エンジンの回転数の上限値”という意味なんですが、これも”自転車の例”で説明可能なんですよね。

 

自転車でゼロから発進する際に、低いギアを使うと楽な力で発進できますよね。

でも、ある程度スピードが乗っていくと、低いギアのままではなかなか加速できません。

1速のままでスピードを上げ続けようとすると、ひたすらにペダルを回しまくる必要があるので、逆にキツいし、限界がありますよね?

このペダルを回す限界値をレブリミットと呼びます。

また、このレブリミットを超える回転数帯をレッドゾーンと呼び、エンジンに大きな負荷をかけてしまいます。

人によってペダルを回す限界値が違うように、エンジンによってレブリミットがそれぞれ違いますし、変速比も変わってくるってワケですね。

 

 

バイクの減速比とは

バイクのスペックを見るうえで”減速比”というワードを見る機会が多いかと思います。

エンジンの回転から効率よくパワーを引き出すためには、いくつかの歯車を介しながら、エンジンの回転数を”減速”させることによって力を取り出しています。

この”減速比”というのは、”トランスミッション”で変速された回転数と、”後輪タイヤ”の回転数の比率のことを指しています。 

”変速比”とごっちゃになりやすいので、下記の項目で整理していきましょう。

それぞれの違い

・変速比=各ギアでのトランスミッションの回転数と、エンジンの回転数の比率。

・減速比=トランスミッションで変速した回転数と、後輪タイヤの回転数の比率。

  

ただ一概に”減速比”といっても、スペック表には1次減速比2次減速比が併記されることが多く、本当に”減速比”を理解するためには、その両方を紐解く必要があります。

次の項目では、それぞれの特徴について記載していきますよ。

 

 

1次減速比って何?

1次減速比とは、エンジン内部にある”プライマリードライブギア”と”プライマリードリブンギア”のギア比率のこと。

 

”プライマリードライブギアは、エンジンのクランクシャフトに繋がっているので、エンジンに一番近い場所にある歯車といっても過言じゃありません。

そして、先の”プライマリードライブギアと嚙み合っているのが”プライマリードリブンギアです。

1次減速比の求め方は、プライマリードリブンギア÷プライマリードライブギアで計算されます。

 

ぶっちゃけ1次減速比に関しては、”ドライブギア”の方がエンジンに近くて、”ドリブンギア”の方がタイヤに近いということさえ押さえていれば十分かと思います。

エンジン内部に近い歯車の話なので、カスタムするにしても少しハードルが高いですし、下手すると1次減速比を気にする機会が一生訪れないこともありますし。

 

 

2次減速比って何?

1次減速比よりも、遥かに身近な存在なのが”2次減速比”です。

バイクのチェーン部分にある前面の歯車ドライブスプロケット後面の歯車ドリブンスプロケットと呼ばれており、この2つの歯車の比率を表したものが”2次減速比”といいます。 

※ドライブギア・ドリブンギアと同様、エンジンに近い方がドライブスプロケット、タイヤに近い方がドリブンスプロケットです。

 

なぜ1次減速比よりも”2次減速比”の方が身近かというと、各種スプロケットは比較的簡単に交換することが出来るからです。

どう動力を伝えているか

①エンジン ⇒ ②プライマリードライブギア ⇒ ③ドリブンドライブギア ⇒ ④各種ミッション ⇒ ドライブスプロケット ドリブンスプロケット⑦後輪タイヤ

※いくつかの工程をカットしていますが、大体こんな感じ。

エンジン内部から通ってきた動力をタイヤに伝えるために、たくさんの工程を経ているワケですが、各種スプロケットに関しては、最終段階の位置にあるのが分かりますよね。

ちなみに、減速比を変更することを ファイナル or ファイナルギアの変更といったりするのも、2次減速が最終的な減速機構だから。

 

 

【余談】スプロケットを交換するとどうなるの?

2次減速比については、ユーザーで変更が可能と記載しましたが、スプロケットを交換するとどうなるのか解説してみます。 

 

まず、スプロケットのギザギザのことを”丁数”と呼んだり、歯の英訳であるToothから、Tと呼んだりします。

また、この丁数を増やすことをショート減らすことをロングと呼びます。 

ショート”と”ロング”違いは以下の通りです。

減速比を”ショート”にした場合

トルクが増えるため、加速感が増して、スタートダッシュが速くなったり、乗りやすくなる。

反面、最高速が伸びないため、高速巡行が辛くなる。

回転数を上げて加速していくので、燃費が悪くなることも。

減速比を”ロング”にした場

トルクが強いバイクの場合、ギアの1速~2速が使いやすくなったり、最高速が上がるため、高速巡行がラクになる。

エンジンを回さずに速度が乗るので、低燃費になりやすい。

反面、トルクが下がるため加速が弱くなったり、全体的な瞬発力が下がる。

 

ちなみに、ドライブスプロケットの丁数を1つ変更すると、ドリブンスプロケットの丁数を3つ変更したのと同じ結果になります。

ドライブスプロケットの方が交換が容易なので、とりあえず乗り味を変えたいという場合はドライブスプロケットの交換をして、細かく調整したいという場合はドリブンスプロケットも併せて交換するというのが定番ですね。

 

バイクのタイプによって多種多様なセッティングが為されているワケですが、自分好みのフィーリングじゃなかった場合でも、このようにバイクの性格を変えることができてしまうんですよね。

スペック表の”減速比”を見て「自分好みじゃないな~」と思ったとしても、カスタムによって対応可能なので、そこだけは覚えておきましょう。

 

 

あわせて読んで欲しい記事

バイクの”スペック表”にフォーカスを当てた記事書いています。

スペック表にまつわることなら”ほぼ”網羅していますので、もしスペックについて分からないことがあれば下記記事をご覧ください。 

 

  

最後に

今回はバイクの”変速比”・”減速比”について解説をしていきました。

 

最後にいうのもなんですが、”変速比””減速比”をスペック表で眺めることはあっても、この数値だからこういう乗り味だよね。という目安になるだけで、実際はあんまり意識して見ていなかったりします。

少なくとも私はあまり気にせずスルーしてしまう項目なので、知らなくても全然問題無いと思います(笑)

  

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