バイクのギア・変速機形式について解説してみた。【ロータリー/リターン式】

早速ですが、バイクの”ギア”とか”変速機形式”って何種類ぐらいあるか分かりますか?

ギアといったら、”マニュアル”・”オートマ”の2つじゃないの?って思うかもしれませんが、そんな簡単な話じゃ無かったりします。

 

今回は”ギア”について”どんな方式”があるのかをざっくり解説していく記事です。 

 

この記事を読めば、下記の内容を理解することができますので、是非最後までご覧ください。 

この記事で分かること

スペック表に記載されている、”変速機形式”について理解できる。

”リターン式”・”ロータリー式”の特徴や、メリット・デメリットも理解できる。

”自動遠心クラッチ”や”ハンドシフト”などの知識が身に付く。 

   

目次

バイクのギアって何種類存在するの?

結論から記載すると、バイクのギアの種類は「大まかに分けると2種類」存在し、細かく分類すると3種類あります。

  

大分類は”AT”と”MT”の2種類。

ワザワザ書くまでもないレベルの基礎知識ですが、一応記載を。

バイクのギア・変速機には、”AT(オートマチックトランスミッション)"”MT(マニュアルトランスミッション)”の2種類が存在します。

”AT”はギアチェンジを自動で切り替えてくれる、スクータータイプに代表されるバイク達。

”MT”は自分でギアを操作する必要がある、またがるタイプのバイク達。

 

なぜ”大まかに分けると”と記載したかというと、免許区分でもこのような分け方をしているからです。

例えば、400CCまでのMT含む全てのバイクに乗ることが出来る”普通自動二輪免許”と、400CCのATのバイクにしか乗ることが出来ない”AT限定普通自動二輪免許”など、対になるように免許区分が用意されていたりします。

 

 

”自動遠心クラッチ”という第三の選択肢。

2019年 Super Cub 50 Street ハーベストベージュ(カタログメイン)
出典:Bikebros スーパーカブ50 スペックページ

免許区分上は2種類しか存在しませんが、細かい話をすれば”自動遠心クラッチ”のバイクも考慮する必要があります。

”自動遠心クラッチ”とは、クラッチ操作を必要とせずに任意でギア操作が出来ることを指します。

代表的なバイクとしては、HONDAのスーパーカブですね。

スーパーカブなどの自動遠心クラッチが搭載されたバイクは、AT免許で運転できるにも関わらず、任意のギア操作が出来ます。

要は、ATとMTのハイブリッドみたいなバイクです。

”AT”だけどギア操作が出来るので、MT・AT・自動遠心クラッチ付きバイクと、3種類に分けられるという話ですね。

 

※厳密にいえば、ほぼ全てのスクーターが”自動遠心クラッチ”を搭載しているのですが、一般的にはギア操作が出来るAT=”自動遠心クラッチ”という呼び方が為されています。

 

 

バイクの変速機形式は3種類ある!

バイクのギア操作の方法を、”変速機形式”と呼び、その形式は主に3種類あります。

まずは、一般的な”MT”バイクのギア操作である”リターン式”

そして、カブなどに代表される”ロータリー式”

最後に、通常のスクータータイプに代表される”Vベルト式”

 

Vベルト式については”無段変速機”ともいいますが、要はギア操作が必要なく”無段階”で変速していく仕組みです。

ちょっと説明が複雑かつギア操作とは無縁なので、Vベルト式の詳細については今回は割愛します。

 

次の項目では、ギア操作が必要な”リターン式”と”ロータリー式”について深掘りしていきます。

 

 

”リターン式”の特徴とは

リターン式の変速機は、MTのバイクならば99%搭載されている仕組みです。

行ったり来たりと、リターン(折り返す)するようにギアチェンジしていくから”リターン式”。

例としては、1速⇒N(ニュートラル)⇒2速⇒3速⇒4速⇒5速のように、ギアが一方通行かつ合間にNが挟まる構成が特徴的です。

ちなみに5まであるバイクなら、スペック表には”リターン式・5段変速”と記載されます。

基本的にはギアの段数が多ければ多い程、細かい速度調整が可能なので、スペックを見る際には”何段変速”なのかはチェックした方がいいですね。

 

リターン式のメリット

99%ぐらいのMTバイクに搭載されているだけあって、感覚的に操作がしやすく、非常に取っつきやすいです。

またロータリー式は3~4段変速が一般的ですが、リターン式は4~6段変速が主流な為、状況に応じて幅広いギアを選択する楽しみ方が出来ます。

運転をしていて、バイクを操っている感覚が強いのは”リターン式”ですね。

 

リターン式のデメリット

メリットの項目でも記載しましたが、リターン式はギアが多いです。

状況に応じて適切なギアを選択する必要があるため、ギア操作がかなり頻繁に発生するため、面倒くさく感じることも。

さらに、ギアを上げるためにはペダルをつま先・足の甲でかき上げる必要があるため、靴が汚れたり、擦り減っていきます。

生地が薄い普通のスニーカーなんかは、足の甲が破けてしまうこともありますので、靴に気を使うというデメリットも。

 

 

”ロータリー式”の特徴

出典:TVアニメ スーパーカブ 公式ページ

ロータリー式の変速機は、スーパーカブや、カブのフォロワーバイクに多く搭載されています。

変速方法の例としては、N⇒1速⇒2速⇒3速⇒Nと循環するように変速が可能。

3速からすぐにNへ入れられるので、信号待ちが多い道路などでは効率的に停車することができますね。

 

ロータリー式のメリット

一番上のギアからすぐにニュートラルに入れられるため、停車する機会の多い市街地の走行などでは非常に便利です。

また、ギアが少ない傾向にあるため単純にギア操作が少なり、運転がラクですね。

あとは個人的に一番のメリットとしては、シフトアップペダルとシフトダウンペダルがそれぞれ独立している為、踏みつける動作のみでギア操作が可能なこと。

これにより、履いている靴を汚すことなくギア操作が可能なので、ファッションの選択肢がかなり広がります。

スーパーカブが女性にも人気なのはこういうメリットも影響しているでしょうね。

 

ロータリー式のデメリット

細かいギア操作が必要ない影響で、無理なギア操作をしてしまう危険性があります。

例えば、2速から1速にシフトダウンする際、”リターン式”であれば半クラッチを使いながら徐々にエンジンブレーキを効かせることが出来ますが、”ロータリー式”だとすぐに1速に入ってしまうため、強烈なエンジンブレーキがかかってしまいます。 

  

また、ニュートラル状態でアクセルを吹かしてすぐに1速に入れてしまうとウィリーをしてしまいますね。

”リターン式”のバイクであれば、狙ってやらない限り起きない現象ですし、エンストで未然に防いでくれる可能性もあります。

かの有名な、「だるま屋ウィリー事件」なんかも、手軽なカブならではの事故といえるでしょう。

 

 

【豆知識】手でシフト操作するバイクも。

先ほどの”リターン式”・”ロータリー式”の操作は、基本的には足で行うものですよね。

極一部のバイクに限り、手でギア操作するものありますので、豆知識程度に記載しておきます。

 

ジョッキーシフト

出典:Amazon ジョッキーシフト 400mm

アメリカンバイクやスーパーカブなどのカスタムで見かけることの多い”ジョッキーシフト”

まるで競馬のジョッキーがムチを振るう様に見えることからジョッキーシフトと名付けられたそうです。

もともとはハーレーやインディアンなどの古いバイクに付いていたものですが、未だにカスタムパーツとして根強い人気を誇っていますね。

デメリットとしては操作感が独特なことと、運転中に片手を離す必要があること。

安全面に難があるため現行のバイクでこのジョッキーシフトを導入しているバイクは無くなってしまいました。

 

ハンドシフト

null年 PX150 (カタログメイン)
出典:Bikebros Vespa PX150

広い意味では、先ほどのジョッキーシフトもハンドシフトの一種ですが、個人的にハンドシフトといったら、Vespaのハンドシフトが印象的ですね。

操作方法としては、MT仕様のバイク同様ハンドルの左側にクラッチレバーが付いていて”握ってひねる”ことによりギア操作をします。

文章で説明することが難しいので、詳細な説明は下記の動画が非常に分かりやすいです。

ちなみに、Vespaのハンドシフトが付いているタイプのバイクは”クラッチ操作が必要”なので、50CC以上のモデルでは”AT限定免許”で運転が出来ません。(こんなにスクーター然とした見た目なのに、ですよ。) 

 

 

あわせて読んで欲しい記事

バイクの”スペック表”にフォーカスを当てた記事書いています。

スペック表にまつわることなら”ほぼ”網羅していますので、もしスペックについて分からないことがあれば下記記事をご覧ください。 

 

  

最後に

今回はバイクの”ギア””変速機形式”について解説をしていきました。

バイクの変速機形式って意外と奥が深くて、様々なタイプに分かれていたりします。

ギアの操作方法が変わるだけで乗り味が大きく変化しますので、メリット・デメリットを理解した上でバイクを選んでくださいね。

  

 

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