バイクのエンジンの循環方式について解説してみた。【ウェットサンプ/ドライサンプ】
早速ですが、バイクのエンジンの潤滑方式ってどういう仕組みなのか分かりますか?
もしくは、”ウェットサンプ”・”ドライサンプ”なんていうワードを聞いたことがありますか?
今回は”エンジンの潤滑方式”について”どんな方式”があるのかをざっくり解説していく記事です。
この記事を読めば、下記の内容を理解することができますので、是非最後までご覧ください。
・スペック表に記載されている、エンジンの”潤滑方式”について理解できる。
・”ウェットサンプ方式”・”ドライサンプ方式”の仕組み、メリット・デメリットも理解できる。
・バイクの”スペック表”についての知識が身に付く。
目次
エンジンの潤滑方式について
まず前提として、エンジンの潤滑に使われるモノって何だか分かりますかね?
そう、”エンジンオイル”ですね。
この”エンジンオイル”の”循環”をどのように行っているかを示したものがスペック表の”エンジンの潤滑方式”にて示されているってワケです。
エンジンの潤滑方式は2つある!
結論から言うと、エンジンの潤滑方式は”ウェットサンプ”と”ドライサンプ”の2つあります。
サンプ(sump)とは、油溜め・水溜めなんていう意味があり、”どこにオイルを溜めているか”を示しているんですね。
「じゃあ、ウェット(湿っている)とドライ(乾いている)の違いって何だろう?」
「ドライ(乾いている)なのに、オイルを溜めるってどういう意味?」
と思いますよね。
それでは次の項目で、それぞれの特徴・仕組みなんかをざっくりと解説していきます。
”ウェットサンプ方式”の特徴
エンジン内部にオイルを溜める仕組みのことを”ウェットサンプ方式”といいます。
バイクの世界では、エンジンの潤滑方式はこのウェットサンプが一般的で、たくさんのバイクに搭載されていますね。
有名なバイクでいうと、CB400SF(教習車)なんかも”ウェットサンプ方式”を搭載したバイクですよ。
”ウェットサンプ”の仕組み
まず、”ウェットサンプ方式”の仕組みから説明を。
仕組みは簡単で、エンジンの下部にオイル溜め(オイルパン)を用意しておき、そのオイル溜めから供給用ポンプ(フィードポンプ)で、エンジン上部にオイルを送り込む仕組みとなります。
エンジン上部に送られたオイルは、自重でエンジン下部に落ちていくため、重力を使ってオイルを循環させているということ。
要は、”公園にある噴水”みたいな仕組みで循環させているってワケですね。
ウェットサンプ方式のメリット
後述する”ドライサンプ”よりも構造がシンプルな為、”低コスト・高耐久・軽量”です。
またウェットサンプ方式の場合は、オイル交換の際にエンジン下部からオイルを抜くため、オイル交換が簡単かつ手間が少ないですね。
基本的には、ウェットサンプ式のバイクが多いので、初めてオイル交換する人でもネットの情報を見ながら作業もしやすいです。
ウェットサンプ方式のデメリット
まぁまぁデメリットが多いので箇条書きで書いていきます。
①エンジン上部に送り込んだオイルが自重で落下していくため、エンジンのコンディションによっては、回収量が安定しないこともあります。
②エンジン下部にオイルを溜める仕組みなので、先ほどと同様にバイクが傾いたり、横Gがかかった状態だと正常にポンプで吸い込むことが出来ず、エアを噛んでしまうことも。
③エンジン内部に循環機構を組み込んでいるので、オイルが高温状態になりやすく、オイルの劣化が激しい。
④エンジン下部にオイル溜めのスペースがあるということは、どうしても縦長のエンジンになってしまうということ。
”ドライサンプ方式”の特徴とは
”ウェットサンプ方式”はエンジン内部にオイル溜め(オイルパン)を用意する仕組み、でしたよね。
対して”ドライサンプ方式”はエンジン内部では無く、別の場所にオイルタンクを用意する仕組みを指します。
バイクではどちらかというと少数派の仕組みですが、有名どころでいくと”SR400”なんかも”ドライサンプ方式”を採用しているバイクですね。
”ドライサンプ”の仕組み
”ドライサンプ方式”の仕組みは下記の通り。
①”オイルタンク”からエンジン上部へエンジンオイルを”ポンプ”で送り込む。
(オイルタンク⇒エンジン用の低圧ポンプをフィードポンプと呼ぶ)
②エンジン下部まで自重で落ちてきたオイルを”ポンプ”で”オイルタンク”へと送り込む。
(エンジン⇒オイルタンク用の高圧ポンプをスカベンジポンプと呼ぶ)
このように、オイルポンプを2つ使って循環させているワケです。
ドライサンプ方式のメリット
ドライサンプ方式のメリットは主に以下の3点。
・エンジン外部にタンクを用意するため、オイル温度が上がりにくく、オイルの劣化を遅らせることが可能。
・オイルタンクの容量を確保しやすく、強い横Gを受けても安定したオイル供給が可能。
・エンジン下部がスッキリしやすいので、エンジンの小型化や、エンジンの取り付け位置の自由度が高い。
メリット・デメリットがありますが、ドライサンプ方式の方がコストがかかるため、ハイクオリティなバイクや、競技志向のバイクに取り付けられる傾向にありますね。
ドライサンプ方式のデメリット
ドライサンプ方式のデメリットとしては、大体以下の2点です。
・ウェットサンプ方式と比較して、部品点数が多く、高価な傾向が強い。
・部品点数が多いため、オイル漏れのリスクが少しだけ高い。
大きいメリットがある反面、デメリットもそれなりに大きいので、搭載されるバイクが少ないというワケですね。
あわせて読んで欲しい記事
バイクの”スペック表”にフォーカスを当てた記事も書いています。
スペック表にまつわることなら”ほぼ”網羅していますので、もしスペックについて分からないことがあれば下記記事をご覧ください。
最後に
今回はバイクの潤滑方式である”ウェットサンプ”・””ドライサンプ”について解説をしていきました。
バイクの世界では”ウェットサンプ方式”のバイクが一般的なので、あまり意識する人も少ないかもしれませんね。
でも、こういった細かい仕組みを理解した上でバイクを選んでみたり、バイクを探してみると、バイクライフがより楽しくなると思いますよ。
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