SUZUKI SW-1をざっくり解説してみた~hex385の名車解説~
さて、今回も”名車解説”ですが、名車といっても、迷う方の迷車。
時代の影響か、大衆に受け入れられず、儚くも短命に終わってしまったバイク。
どんなメーカーもそういったバイクは一定数存在します。
そしてSUZUKIの”SW-1”もそんな迷車と呼ばれるバイク。
例のごとく、全く知らない人にも"ある程度は"理解できるよう記事をまとめました。
※なお、管理人はバイクのプロでは無いので、細かい所が間違ってたりする可能性がございます。
目次
SW-1ってどんなバイク?
「さすがSUZUKI、未来に生きてやがる。」って感じのバイクです。
細かい仕様から、SW-1が辿った境遇など、「えっ、何それ!?」という言葉しか出てこないレアなバイク。
SUZUKIは変態メーカーなんていう輩もおりますが、このバイクに関しては否定できません。
デザインがヤバい
一目見ただけで分かる、圧倒的ヤバさ。
『好きなものに囲まれて暮らしたい。』
素晴らしいキャッチフレーズかもしれませんが、おおよそ私達が好きなバイク像とは1光年かけ離れた容姿のSW-1。
スクーターなのかバイクなのかも良く分からないですし、レトロなのか近未来なのかも怪しいです。
※管理人の初見時の感想は「コイツFalloutに出てきそうなバイクやな。。。」
ちなみに、1992年に発売されたバイクですが、その年の”グッドデザイン賞”を受賞してます。
なお、このデザインを生み出したのは実はSUZUKIでは無く、坂井直樹氏のWATERDESIGNという会社だったりします。
SUZUKIの”S”とWATERDESIGNの”W”を取って”SW-1”と名付けられたそうですよ。
つまりSW-1に関しては、SUZUKIが変態というより、坂井直樹氏が変態ってことですね!
坂井直樹さんってどんな方?
少しだけ、坂井直樹さんについて深堀を。
いろいろな有名企画・デザインを打ち出している方で、特に有名なモノとしては日産パイクシリーズでしょうか。
日産のBe-1・PAO・エスカルゴ・ラシーンなどを企画・デザインしたのが、坂井直樹さんです。
どれも人気車種なので、未だに街中で元気よく走っている姿をよく見かけますよ。
中でも”ラシーン”なんかは、ゆるキャン△の主人公の姉が乗っていることで再注目を浴びた一台ですね。
実写ドラマ化された際には、ファンが原作と同じ仕様にカスタムしたラシーンが登場したりと何かと話題になった記憶があります。
パイクシリーズ含む全車種が既に生産終了していますが、今もなおファンを魅了し続けているという点においては、SW-1もまさしくグッドデザインのバイクだったということですね。(ちょっと無理やりか。。。?)
収納スペースの概念を疑え。
ここで質問です。
画像の赤丸部分ですが、これは何でしょうか?
え?燃料タンク??
残念ながら不正解です。
正解は、収納スペースです。
なんということでしょう。
常人では考えつかない場所に収納スペースがあります。
両サイドの収納スペースは百歩譲って想定できたとして、燃料タンクにあたる部分が収納スペースになっているというのは、当時としてはぶっ飛んだ発想です。
ちなみに、HONDAのNCシリーズにも同様の機能がありますが、NCシリーズは2012年発売です。
SW-1が1992年発売ということを考えると、その差は20年。
マジでこのバイク、時代を先取りしすぎ。
中身も特殊仕様の塊です。
特徴的な見た目のバイクなのは言わずもがなですが、中身もかなり特殊。
なかなかお目にかかれない特殊仕様のオンパレードだったりします。
このバイク、スクーターのように見えて実はマニュアル式。
純粋なスクーターというよりはカブのような、踏むだけオンリーのシーソーペダルが搭載されています。
しかも6速まであります。(N→1→2→3→4→5→6)
二本出しマフラーなので、2気筒かと思いきや、単気筒です。
一般的なチェーン駆動と異なり、ベルト駆動です。
ちなみに生産終了から月日が経っているので、ベルトが切れたら替えのベルトがほぼ入手不可。
※幸いチェーン駆動にカスタムは出来るようです。
この特徴、一つ一つは「まぁ探せばあるけど、珍しい部類だよね」ってレベルですが、このバイクにはそんな要素が3つも詰まっております。
SW-1・・・恐ろしい子!
SW-1がなぜ不人気だったのか。
当時のSW-1に対する世間一般の評価は、残念ながら芳しくなかったようです。
発売からおよそ4年程でメーカーのラインナップから外れてしまい生産終了。
ネットの情報ですが、どうやら生産台数1440台らしいです。
この項目では、なぜSW-1が売れなかったのかを解説していきます。
えっ、値段高すぎ。。。
80年代のレーサーレプリカブームの熱が冷めきらぬまま90年代を迎え、当時のブームとしては高性能で速さを求めるバイクが求められていました。
4大メーカーはこぞって最速バイクを開発していましたし、当時の250CCバイクの馬力は”45馬力”と現代のバイクを軽く凌駕するパワフルさ。
こういったバイクの価格は当時、高くても60万円ぐらいでした。
SW-1は、エンジンは単気筒ですし、20馬力ですから、お世辞にも速いバイクとは言えません。
SW-1の価格はというと、なんと70万円。
当時の250CCバイクの中ではトップクラスに高価です。
確かにグッドデザインなバイクなのかもしれませんが、この価格は当時としては高すぎます。
運が悪すぎる問題
先ほど、”当時の値段高すぎ”と記載しましたが、そこと関連してきます。
SW-1が始めて発表されたのは1989年の第28回東京モーターショー。
そう、バブル景気の全盛期なんですよ。
コンセプトの段階では、「外装にこだわって価格が高くなってしまったSW-1でも戦える」と考えられたのではないでしょうか。
そして実際にこのバイクが発売されたのは1992年の2月。
ちょうどバブル崩壊のタイミングと重なります。
結果として、景気が傾いているのに性能が低く無駄に高いこのバイクを買う人は一握り。
間が悪すぎるよ、SUZUKIさん。。。
またまた余談ですが、コンセプトモデルの段階では水冷V型2気筒エンジンを搭載していたりと、性能面でもこだわりを見せていたようです。
結果的に生産コストが安い単気筒で出したということなので、2本出しマフラーはコンセプトモデルの名残なのかもしれませんね。
SW-1の魅力について
人によって感じ方はそれぞれですが、とりあえず管理人が考える魅力なんかをまとめてみました。
かなりのレアバイク
噂によると、このバイクの販売台数は1440台。
ホンダの名車である”スーパーカブ”が2017年に1億台を突破したことと比較すると、その差は歴然としています。
コレだけ生産台数が少ないならば、当然レアなバイクともいえます。
管理人がこのバイクを知ったのは7~8年前くらいになりますが、街中で見かけた回数は0回です。
「他人とバイクが被りたくない」とか「マイナーなバイクが好きだ」という人にはうってつけのバイクじゃないでしょうか。
ハマる人にはハマるデザイン
世間的には賛否両論ありますが、管理人はこのバイクのデザインが好きです。
ハマる人にはハマるデザインなので、SW-1に惚れ込んだユーザーもいらっしゃるでしょう。
他のバイクならば、”同じ似たようなデザインのバイクを探す”という手段が取れますが、SW-1に似たデザインのバイクなんかそうそうありませんからね。
これは明確な魅力だと思いますよ。
SW-1のデメリットとは?
30年ほど前のバイクなので、旧車特有のデメリットをメインに解説していきます。
パーツの供給が厳しい
レアなバイクに付きもののデメリットですが、ご紹介します。
発売されて約30年経過していること、そして販売台数も極端に少ないこと。
これ即ち故障の際にはパーツが出てこない可能性があるということです。
特に外装パーツなんかは、転倒してしまったら100%割れてしまいますから、かなり丁寧に取扱う必要がありますね。
価格が高い
発売当時の価格から既に高価なバイクでしたが、生産台数が少ないこともあって現在ではプレミア価格が付いております。
中古の250CCではかなり高価でタマ数も少ないため、入手難易度もそれなりに高いです。
先述したパーツの供給が厳しいこともあって維持費も普通のバイクより嵩みます。
このバイクを気軽な気持ちで買う人はいないでしょうが、それなりに覚悟をした上で購入することをオススメします。
あわせて読んで欲しい記事
その他の”名車解説”をご覧になりたい方は下記記事でまとめております。
興味がある方は是非ご覧頂ければ幸いです。
終わりに
名車というよりは、どちらかというと迷車というわれている類のバイクである”SW-1”
管理人も大好きなバイクですが、街中で一度もすれ違ったことのバイクなので、どこかでSW-1乗りに出会ってみたいですね。
今回は日の目を浴びていないバイクにフォーカスを当てて解説してみました。
書いていて楽しかったので、今後は迷車の解説もちょくちょく挟んでみます。
当ブログでは、初心者向けのバイク記事をメインに様々な記事を更新しております。
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以上、最後までご覧いただきありがとうございました。