【初心者向け】キャブとFIの違いって何?ざっくり解説してみます。【メリット・デメリット】
今回はバイク初心者向けのざっくり解説記事です。
バイクを探すときに、中古も視野に入れて探していると、
・「この中古バイク、キャブモデル・インジェクションモデルって2つ種類があるけどどっちがいいの?」
・「初心者はインジェクションのバイクがオススメだよ!ってよく言われるけど、違いが分からん。。。」
こんなことありませんか?
そこで、「キャブ」と「FI(フューエルインジェクション)」の違いをざっくり解説していきます。
目次
キャブとFIってバイクにとって、どんな役割をしている?
キャブとFIの役割は、どちらも 「燃料を気化させてエンジン内に送り込む装置」 です。
燃料とはつまりガソリンのことですが、ガソリンって「液体のまま」よりも「空気と混ざった霧状のもの」のほうが燃えやすいんです。
この霧状のガソリンを、キャブ、もしくはFIで「生成と制御」をしている重要な装置です。
キャブとFIの違いって何?
キャブ(キャブレター)は、
「原始的な方法でエンジンに燃料を送り込んでいる」
FI(フューエルインジェクション)は、
「コンピューターで電子制御を行い、エンジンに燃料を送り込んでいる」
違いはコレだけです。
とはいえ、これだけじゃ良く分からないと思うので、もう少し詳細に解説が見たい方は、以下をどうぞ。
キャブとは何か?
見た目は、こんな感じです。
これがキャブです。
先ほど、
キャブ(キャブレター)は、「原始的な方法でエンジンに燃料を送り込んでいる」
と書かせていただきました。
原始的な、と抽象的な表現をしましたが、これは車やバイクが生まれた時から、ずっとほぼ同じ仕組みで100年程度変わらなかったからです。
ざっくりどういう仕組みで燃料を送り込み、調整しているのかを説明します。
- セルもしくはキックで、エンジンに火を飛ばして、エンジンを始動させる。
- シリンダー内で爆発が起こり、ピストンが上下する。
- ピストンが上下すると、圧力の影響で、吸い込む力が発生する!(負圧といわれます。)
- 吸い込む力を利用して、キャブレターから霧状のガソリンが噴出される!
※エンジン始動後は②~④の繰り返し
かなーり単純ですが、そのぶん重要な部品ですよね。
仕組みについてはこんな感じです。
チョークって何?※余談※
余談ですが、「チョーク」って単語を聞いたことがありますか?
これは「キャブのみ」ついている仕組みで、さっきの写真では 黒い●こんなノブがついてますよね。(うっすらCHOKE PULLって印字があります。)
プロレスの「チョークスリーパー」とかのチョークと同じ意味です。
塞ぐ、窒息させるという意味があり、エンジン始動の際に使用します。
キャブについている空気の通り穴を狭めることができ、空気量を強制的に少なくさせることで、燃料の比率をあげて、点火させやすくする仕組みです。
FIとは何か?
FI(フューエルインジェクション)は、電子制御式燃料噴射システムです。(カッケェ…)
先ほどのキャブと比較して、すべての工程をコンピューターで計算して制御します。
キャブだと、冬場はチョークを使ってもエンジンがかかり辛かったりしますが、FIはそんなことは全くありません。
理由は、コンピューターが天気や温度を計算して、適正な状態でガソリンを混合気にしてエンジンへと送ることが出来るからです。
ちなみに、FIは環境にもいいです。
適切で効率の良い点火を促してくれるため、排気ガスの排出もキャブと比べると抑えられることが出来ますからね。
キャブのメリット・デメリットは?
メリット
・「原始的な仕組みで動いている」ため、メンテナンスやカスタムが比較的簡単。
金属やゴム・プラスチック等の部品で構成されていますので、壊れてもその部品だけ交換すれば動きます。
パーツを付け替えたり、キャブ本体を交換することで性能をカスタムしたりもできます。
・「原始的な仕組みで動いている」ため、修理費も安い。
キャブの仕組みは、説明いたしましたが、非常にシンプルで歴史が深いです。
バイク屋さんに駆け込めば、FIと比較して安価に修理ができます。
特殊な工具なども必要ありませんので、自分で交換も可能です。
その場合はパーツ代だけで済みます、激安ですね。
・「原始的な仕組みで動いている」ため、バッテリーが弱っていても動く。
当然の話ですが、電気を使っていないため、バッテリー等のトラブルとは全く関係がありません。
バイクによっては、バッテリーレスカスタムなどもできますが、これができるのはキャブ搭載のバイクだけです。
デメリット
・単純性能はほぼ、FIに劣る。
FIと比べると、始動性や環境配慮など、すべての面でFIには勝てません。。。
コンピューターには勝てなかったよ。。。
・新車では購入不可。
排出ガス規制により、公道走行可能なキャブ搭載バイクは絶滅しました。
もしかすると、探せば在庫がある可能性があるかもしれませんが、2006年ぐらいから規制の影響でキャブ車は絶滅状態に陥ったので、現実的では無いですね。
※厳密にいえば、FI車をキャブ車へ変更させるカスタムなどはあります。
FIのメリット・デメリットは?
メリット
・キャブよりもお手軽で高性能!
メンテナンスが必要ないわりに、維持・燃費・始動性や環境配慮すべての面でFIを圧倒します。
ゲームでいうお手軽強キャラです。試行錯誤が必要ないわりにすべての性能が高いです。
デメリット
・故障時の修理費がかなりかかる。
まず、前提として滅多に壊れません。
ただ、もし壊れた場合は、ほとんどの場合でユニット一式を全交換する必要があります。
キャブと違って、壊れている部品を特定して、そこだけ交換は難しいです。
・電子制御なので、バッテリーの状況に依存する。
キャブには関係のない話でしたが、FIはコンピューターで電子制御しています。
バッテリーが上がったり、弱ってしまった場合は、基本的にはエンジンが始動できません。
まぁキャブだってバッテリーが完全に上がってしまったら、エンジンがかからない車種もあるし、FIでもバッテリーが少し弱っている程度であれば、押しがけ出来たりすることもあるので、明確なデメリットではないかも。。。
・自分でカスタムがほぼできない。
人によってはデメリットにならないでしょうが一応念のため。
キャブみたいに、パーツ交換や本体ごと交換はできません。
一応、コンピューターの制御を書き換えたりするカスタムは可能ですが、個人でやるには難しいですし、手軽には行えません。
まとめ
「キャブ」と「FI(フューエルインジェクション)」の違いをざっくり解説させていただきました。
何となくでも、違いが理解できたと思います。
バイクを選ぶ重要な基準の1つですので、買った後のことを考えてきちんとした選択をすることが大事ですよ。
この記事が、少しでも初心者ライダーのためになれば、と思い記事を書きました。
最後までご覧いただきありがとうございました!